MIKI's Life

団らんの家

生活スタイルをカタチにしたらリビングが中心に。
キッチンからも庭が見渡せる開放的な空間。

鉄道1本、高速1本でつながっているところはご近所さん?!

季節は初夏。田んぼにトウモロコシの二期作を行い、静岡県が誇る食材「森のとうもろこし」と名付けられたトウモロコシ
“甘々娘(カンカンムスメ)”が有名な森町。この極上トウモロコシを求める人たちが列を成すのは、森町の夏の風物詩となっているそう。
そんなのどかな風景が広がるトウモロコシ畑を抜け、天竜浜名湖鉄道を渡ろうとすると、記憶にない駅が現れて驚く。そうして住宅地へと
入っていったところに、 渡辺さんのお宅はあった。早速、駅のことを伺うと、何でも2015年3月にできたばかりの新しい駅「森町病院前駅」とのこと。「駅が近くにあるとすごく便利。 引佐の友人と、高速道路や電車1本でつながっていると思うと、なぜかご近所さん感が沸いてきて、
行き来も多くなったような気がします。」と笑いながら 出迎えてくれたのは、ご主人の祥司さん。
取材者も天竜浜名湖鉄道の沿線に住んでいることを伝えると「じゃあご近所さんですね」と朗らかな笑顔を向けてくれ、
親近感が沸いた今回のインタビューは、お子様たちを交えた“団らん”に混ぜていただきながらの、アットホームな雰囲気で行われた。

庭とリビングダイニングが一体感を持ち、自然の景色を作り上げる。

玄関に招かれて、思わず「わあ」と声をあげてしまったのは、太陽光が取り込まれ空間以上に広々とした玄関。
「玄関の空間もこだわったポイントのひとつなんです」と祥司さん。
ゆくゆくは玄関とウォークインでつながるガレージを増設する予定で、 祥司さんがバイク乗りを復活したら奥様の木映さんも免許を取得してみようかと
思案中だとか。 そして、渡辺家のメイン、リビングダイニングへ招かれると、そこにはアイランド型に配置された大理石調のキッチンが。
全体的にナチュラルでやわらかさを感じる雰囲気の中に、スタイリッシュで無機質なイメージのキッチン。
それなのに、しっくりとけ込んでいるように感じるのは、自然の中にある岩と同じ感覚だからだろうか?スタイリッシュでありながら、
なぜが大自然の風景が脳裏にかけぬけ、同時に心地よい風が肌をなでていった。ふと目を向けると、大きな吐き出し窓に室内とフラットに作られた、
芝生の庭があり、庭も含めてリビングダイニングの空間ができ上がっているのだと気付く。
大理石調のキッチンは、空間の広さと心地よさを演出する、最大の演出家になっていた。
「キッチンで料理していても、庭で遊んでいる子どもたちが見渡せて、家事をしている私も気持ち良く、楽しいんですよ」
と木映さんが言えば、祥司さんは得意気に頷く。
「ワイドな間口と、中央に柱を入れないことが絶対条件だったんです。こうして窓を全開にすると、同じ空間にいるような気分になれて、
すごく気に入っています」
リビングダイニングから青々とした芝生の庭を眺めると、想像以上の広がりを体感でき、庭と一体になった気持ち良さは、
森町ののどかな雰囲気を家にそのまま取り込んだような感覚。
土地と家づくりがリンクして、団らんの場をより深めてくれる空間は、思い描いていた以上の暮らしをもたらしてくれたようだ。

庭は絶対芝生がいいでしょう? 家族も友人も楽しく過ごす理想のカタチ。

「芝生は主人の強い希望だったんです。必ず自分で手入れをすることを条件にOKしました(笑)」
庭で遊ぶ祥司さんとお子様たちをキッチンから眺めていた木映さんが、こっそりおしえてくれたこと。そうは言っても、木映さんも
絶対芝生がいいと思っていたようで、心地よさを体感してしまってからは、祥司さんのこだわりに頷いて良かったと思っていると言う。
もちろん、宣言通り、祥司さんはマメに芝生の手入れをしているそうだ。 初夏の風と一緒に、リビングにミツバチが迷いこんできた。
「ああ、入っちゃいましたね、ミツバチ。でも、これがいいんです。自然と一体になっている感じで。ウチではムシが入っても気にしない。
この窓と空間に網戸なんて野暮なものはいらないでしょう?」
今日はお客様がいるからと、ミツバチを追いかけて来た祥司さん。なんて素敵な考え方だろう。この自然をすべて受け入れる気持ちも、
この家のこの空間ができたベースになっているのだと感じる。 夏はタープを庭いっぱいに張って、プールを出して、BBQをする。
リビングやキッチンも含めて、一大ガーデンBBQパーティーができそうだ。
「友人が大勢来たときはキッチンにこもることもありますが、キッチンにいても疎外感なんて感じないので、BBQの楽しみも広がります。
ママ友達も楽しく料理とBBQが楽しめると好評なんですよ」
木映さんが、実は家事が余り好きではないと打ち明けてくれたのだが、いやいや、すごく楽しそうに見える。 祥司さんも
半分ほど家事を手伝ってくれるというのは、やはりこの空間があるからだろう。特に料理はとても楽しく作れるのではと、容易に想像できる。
「友人もこの空間をとても気に入ってくれて、長居をしていきますね。元々のコンセプトが、“家族が楽しめて、友人も楽しく遊べる”ことだったので、
僕たちの家づくりは成功していると思いますよ」
誇らしげに言う祥司さん。幹工務店さんとの家づくりは、大満足の結果になったようだ。

家族と一緒にリビングで過ごすから、他は使い勝手だけを条件にシンプルに。

リビングダイニングの居心地が良すぎて、つい忘れそうになった他の部屋への取材。よくよく聞くと、夫婦の寝室と子供部屋、
そしてピアノ部屋と収納部屋が あるそうだ。
「リビングが最大のこだわりだったので、他の部屋はいたってシンプルですよ。でも、屋根裏を利用した収納部屋の階段は必須でしたね」
と言いながら階段を上っていく祥司さんの言葉によると、2階から続く階段は、屋根裏の収納部屋に続いているようだ。
「よく、はしごとかで屋根裏収納になっていたりするでしょう?それだと絶対に収納部屋にいく回数が少なくなってしまうし、
荷物の上げ下げが面倒くさくなって、他の部屋に物が溢れてしまうのが目に見えていましたから。
夫婦揃って家事があまり好きでも得意でもないから(笑)。階段で行き来できれば、季節もののストックもできるし、
物が増えても収納しようと思えるから、片付くし一石二鳥でおすすめです」
階段を上りながら説明し、振り返って笑った祥司さん。続いて木映さんにピアノの置いてあるお部屋に案内していただく。
木映さんはピアノをずっと嗜んできたとかで、今はお嬢さんが弾くピアノを見ながら一緒に楽しんでいるそう。
仲良し母娘のお手本のような微笑ましい光景が見られ、思わず微笑む。 のどかな風景に溶けるように流れていく音符が見えるような気がした。
完全防音でないにしても、多少防音に配慮した作りにはなっているというから、昼間の親子レッスンは問題ないようだ。

いただいたDMにお返事を書いたら、お返事が返ってきた。

渡辺さんが幹工務店さんで家を建てようと決めた決定打はなんだったのか? 最後にこの質問をぶつけると、意外な答えが返ってきた。
「サーフィンの家に見学会に行った後、DMをもらったんですね。それで、丁寧にありがとうございますとお返事を書いたら、
それにまた返事がきたんです。 それが決定打でしたね」
幹さんにお手紙書いたら、お手紙着いた……と、一瞬童謡を思い出したが、お手紙は食べずに家づくりへと話がトントンと進む事になったようだ。
「いろいろ見学会に行きましたが、サーフィンの家を見に行った時点で、ほぼ幹さんに決めていたんです。
手紙のやりとりだけが決め手ではありませんが、でも本格的にスタートさせようと決めたきっかけにはなりましたね」
なかなか興味深い話である。 “人”も決め手の大きなポイントになるのだと改めて思う。
「実際、一緒に家づくりを考えていく過程で、幹さんの自由度と提案力は想像以上でしたし、こうして暮らしが楽しくなったのですから、
感謝しています。家をつくることは、ライフスタイルをつくることなんだなと。家づくり、快適な暮らしが楽しいと、家を建てて実感しています」
庭で遊ぶ子供たちを見て目を細める祥司さん。微笑ましい光景は、森町のやさしい自然に馴染むよう。
ほっこり癒されながらの取材は、家と家族の優しい絆を感じて終了したのだった。 

Writer:茂木 美佐子/ Photo:indigohearts/ Design:tekuiji DESIGN
Produced by tekuijiDESIGN