コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻で不安が増す中、忘れてはならないのが「災害への備え」です。
東日本大震災以来、各地で地震が相次ぎ、特に東海地域は東海地震や東南海・南海トラフ地震が想定され、いつ地震が起きてもおかしくない状況です。「天災は忘れた頃にやって来る」という諺のあるように、どんな状況下でも、家族の命を守るために万全の備えが肝心です。
現に、今年に入ってからも次のような地域で震度5以上の地震が発生しています。
・2022年1月4日 父島近海の地震 M6.1:最大震度5強
・2022年1月22日 日向灘の地震活動 M6.6 最大震度5
・2022年3月16日 福島県沖の地震活動 M7.4 最大震度6強
・2022年3月18日 岩手県沖の地震活動 M5.6:最大震度5強
・2022年4月19日 茨城県北部の地震活動 M5.4:最大震度5弱
では、大地震がいつ起きても安心して暮らすことができる「地震に強い家」をつくるにはどうしたらいいでしょうか?
■現代は、耐震+制震が地震に強い家のスタンダード
東日本大震災以降、地震に強い家をつくることに対する考え方が大きく変化してきました。
それは、「耐震」から「耐震+制震」で強い家をつくるという考え方です。他にも「免震」という方法もありますが、一般的には「耐震+制震」がスタンダードです。
上記で述べたように、国内ではいつ、どこで、どのような規模の地震がやってくるのか予測がつきません。また、2016年に起きた熊本地震では、前震と後震と呼ばれる震度7の地震のほか、震度6強の地震などが5回発生したため、最近では震度7クラスに耐えられる耐震性能だけでなく「繰り返し起きる地震に耐えうる耐震性能」が求められるようになってきました。では、耐震と制震とではどのような違いがあるのでしょうか。
●耐震とは・・・
建物そのものの構造を強くして、地震の揺れに耐えられるようにするもの。
日本で最も多く取り入れられている工法で、構造自体を工夫したり、耐震性にすぐれた金物を用いたりすることで、耐震性を向上させることができます。
●制震とは・・・
専用の装置を取り付けることによって、地震によって生じる揺れを軽減(吸収)させることで、地震の揺れを抑えます。繰り返し起こる揺れに有効で、コストも安いことが特徴です。
■制振ダンパー「evoltz」とは
そこで当社では、地震に強い構造によって「耐震性」を担保すると同時に、お客様のご要望に応じて制振ダンパーの設置をお勧めし、「制震性」の向上を図っています。
当社で「制震装置」として採用しているのは、千博産業という浜松の会社が製造している制振ダンパー「evoltz」です。
●制振ダンパー「evoltz」の特徴
制振ダンパー「evoltz」は、自動車のショックアブソーバーの技術をベースに開発された、木造住宅用の制振装置です。ちなみにショックアブソーバーとは、路面からの衝撃による自動車の振動を吸収するパーツです。
「evoltz」を販売する千博産業では、ドイツにおける世界有数の自動車部品メーカー・ビルシュタイン社に製造を委託し、世界レベルの高性能・高品質を実現。地震の際に生じる揺れのエネルギーを吸収し、繰り返しの揺れにも耐え、家族の命をはじめ、建物の資産価値、家財を守ります。
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■「evoltz」の特徴
- ・地震の揺れエネルギーを吸収し、建物の揺れを45~55%軽減します。
・大地震の後に繰り返し発生する大小の余震にもしっかりと対応します。
・本震や余震の際に建物の構造部材が損傷しない範囲で揺れをおさめ、建物の安全性を高めます。建物の耐震成分を長持ちさせることが可能となり、建物の資産価値を守り、生命と財産を守ります。
・100 万回の作動試験を開発時に実施し、耐久性にも問題が無いことを検証済みです
「evoltz」についてもっと詳しくお知りになりたい方は、下記のホームページをご参考ください。
https://www.evoltz.com/
幹工務店では、これまでにも度々、完成見学会などの際に起振装置を使い、お客様に「evoltz」の効果を実体験していただく機会を設けてきました。
実演では、evoltzを組み込んだやぐらに揺れを発生させる【起振装置】を設置。
震度3~4程度に揺らした状態でevoltzの効果をONとOFFで比較しました。
また、同時開催していた「住宅完成見学会」にお越しいただいたお客様にも、やぐらに登って体感していただきました。
そちらのリアルな映像をYouTubeでご覧いただけます!
当社では、今後もこうした体験会を随時開催していく予定です。当社の完成現場見学会をぜひお見逃しなくチェックしてくださいね。
文:現場監督 金井 俊樹