0%
2023.06.07

「気密性」の高い家は梅雨時のジメジメにも強い!

最近は、高気密・高断熱の家が新築住宅のスタンダードとなっていますが、
住宅の気密・断熱性能の違いは、夏や冬だけでなく、梅雨どきにも顕著に現れます。

例えば、気密性が低い住宅の場合、梅雨時に雨が降り続くことによって外部からの湿気や雨水の侵入のリスクが高まります。
なぜなら、住宅の気密性が低いということは、住宅に隙間や漏れが多いため、湿気や雨水が建物の内部に入り込む可能性が高くなるからです。
その結果、室内の湿度が上昇し、ジメジメして不快に感じるだけでなく、カビやシロアリなどの発生にもつながります。

一方、気密性の高い住宅は、外部からの湿気や雨水の侵入を抑え、室内の湿度をコントロールしやすくなるため、快適な室内環境を維持できます。

「気密性」とは

では、そもそも「気密性」とは何なのでしょうか。

冒頭の話からもおわかりのように、住宅の気密性とは「建物の密閉性」を示すものであり、つまりは建物に隙間がどのくらいあるかを示します。

建物の隙間が多いと、冬に冷たい風が家の中に入り込み、家の中にいても寒さに震える原因となります。
一方、夏は外の暑さが家の中にまで伝わりやすくなり、家の中にいても暑くて過ごしにくくなります。

また、建物に隙間が多いと、外からの湿気やホコリ、花粉なども侵入しやすくなってしまいます。
このような理由から、家の中で快適に過ごすには建物の気密性を高めることが必要なのです。

気密性を示す「C値」とは

気密性能がどれくらい高いのか、あるいは低いのかは「C値」で比較できます。

「C値」は、建物全体の隙間をかき集めた面積(㎠)を、延床面積(㎡)で割った数値のことです。

つまり、建物全体に隙間がどのくらいあるかを示す数値なので、「C値」が大きい(隙間が大きい)ほど気密性が低く、小さい(隙間が小さい)ほど気密性が高いことを示します。

例えば、一般的な住宅において、C値=5.0は家中の隙間の合計がハガキ5枚分、C値=1.0はハガキ1枚分の隙間があるという目安がよく使われます。

「C値」の測定方法

C値の測定は、天井・壁・床の断熱(気密)工事が完了後、内装工事(石膏ボードやクロスを貼る工事)の前に行うのが一般的で、専門の気密測定試験機を使って測定します。

気密測定は断熱性能を示すUA値とは異なり、理論上の計算だけでなく、実際の現場で測定して具体的な数値を出します。
そのため、どこに隙間があるのかも特定しやすく、その部分を改善すれば確実に気密性の高い家をつくれます。また、断熱性能(UA値)は使用する断熱材の良し悪しによるところが大きいですが、気密性(C値)は家を建てる大工職人の技術によって差が出るというのも大きな違いです。その点、当社では長いお付き合いを通じて信頼して工事を任せられる、腕のいい大工職人に工事を依頼しているので、安心して家づくりをお任せいただけます。

※建売住宅の構造現場の写真

幹工務店の気密性能

幹工務店では、気密性能の基準をC値0.6に定めています。
前述の説明で、一般的な住宅において、C値=5.0は家中の隙間の合計がハガキ5枚分、C値=1.0はハガキ1枚分の隙間があるという目安がよく使われると述べましたが、0.6はそれに対してハガキ0.6枚分に相当します。
現在、高気密・高断熱住宅と言われている住宅はC値が1.0以下であることが基準ですが、当社のC値は0.6なので、さらに高気密なレベル設定をしていることになります。

ちなみに、6月末に完成予定の当社の建売分譲住宅は、基礎断熱工事・吹付断熱工事・気密テープによって隙間を埋める工事が終了した段階で、C値が0.34です。さらに、今後の内装工事で石膏ボードやクロスを貼っていくと、C値がもう少し低くなると見込んでいます。建売住宅でありながら、ここまで高性能な建物はなかなかないと思うので、安心してご検討いただけます。

ちなみに昨年8月竣工当時、若林モデルハウスはC値が0.6でした。換気システムは第一種(給気も排気も機械で強制的に行うシステム)でなく第三種(自然の外気を取り入れ、排気のみ機械で強制的に行うシステム)を使用していますが、必要十分な効果を発揮できています。

気密性能を高めるには

住宅の気密性能を高めるには、主に次のような方法があります。

・建物の凹凸をできるだけなくす

建物に凹凸がたくさんあると、気密性が悪くなります。そのため、総2階の建物にするなど、凹凸をできるだけなくすと気密性が高まります。

・気密処理を細部まで施す

住宅の隙間は、開口部の周りやコンセントの周り、設備配管の周りや、部材同士の接合部分に生じることが多いため、吹付断熱や気密テープでそれを埋めると気密性が高まります。幹工務店では、施工時にこれらのことを標準的に行っています。

・引き違い窓や玄関引き戸を減らす

引き違い戸や玄関引き戸は隙間ができやすいため、気密性が低くなるというデメリットがあります。気密性だけでいえば、引き戸よりも片開き戸の方が有効ですが、使い勝手の良さやスペースの有効利用、バリアフリーなど、引き戸のメリットもたくさんあるので、慎重に選ぶ必要があります。

このように、建物の気密性は断熱性と同様に重要な性能です。幹工務店では、ご新居でお客様が末永く健やかに、そして年中快適に暮らしていただけるように、今後も住まいの性能の向上を図っていきます。当社の性能についての詳細は、ホームページをご覧ください。

また、家づくりのご相談もお気軽にどうぞ。

文:トータルアドバイザー 鈴木 哲和(一級建築士)